春の作品展が終わり、まだ夏が控えているというのに心は冬に飛んでいます。
そして、私が冬を迎える前に、冬支度を依頼されているわけです。まずはそこから。ようやく本腰を入れる準備ができました。
Harris Tweedの布も何とかせねば。
眠っている布たちを生かす事も考えないといけません。
日本人はお肌が繊細だと思います。日本人がという言い方は、他のアジア人がウールについて話しているのを知らないので「アジア人」と言えないのですが、いずれにしても欧米人はどちらかというとお肌が頑丈な気がします。(化粧品を例に挙げても、それは明らかです)
たとえば、ハリスツイードなどはスーツや帽子等に多く使われている布ですが、たしかにゴワッとしています。使い込んで、硬い毛がぽろぽろ落ちて、柔らかい毛だけになったとき本来のツイードの良さが発揮されるのでしょうけど、日本人の感覚では、今やわらかいものが素晴らしい的な感がある気がするのです。長く使うことを前提にした布であり、流行で1シーズンだけでサヨナラするには良さがわからないし、そのような消費社会にはなかなか受け入れられないものだとも思います。
それと逆の発想が、お花。
丁度今、シャクヤクのシーズンです。私はあの紙で作ったような大きなお花が大好きです。そして薔薇も、可憐な一重の野ばらも好きだけど、オールド・ローズのゴウジャスな物も大好き。
・・・えぇ、過剰装飾の世界は私の憧れ。
お花屋さんに並んでいる薔薇やシャクヤクは蕾のものが通常です。でも、昔聞いたイギリスのお話は一番美しく咲いている状態のものを花束にするそうです。一番美しく咲いているお花たちを、「いま」あの人に届けよう、というのは素敵な気がします。
お花屋さんでバイトしていたとき「八百屋さんと同じで、生ものだからね!」といわれたのを思い出しました。